この記事を見ているあなたは、恋愛をしたくても好きな人や彼氏ができない葛藤に悩んでいるのではないでしょうか。

では、好きな人ができない理由は一体何だと思いますか?
すぐに答えが思いついた人も、聞かれたからなんとか答えを探し出したという人もいるでしょう。
では、好きな人を作れない理由を瞬時に答えられた方にもうひとつ質問です。

その理由は本当に恋愛ができない理由ですか?
同じ状況でも恋愛をしている人は存在しませんか?
意地悪な質問の仕方をしてしまってごめんなさい。
しかし、今あなたが思い浮かんだ言い訳こそがセルフハンディキャッピングなんです。
改めて心理学的な表現をすると、セルフハンディキャッピングとは以下のような定義で語られます。
①課題を遂行するときに、結果に対する評価を曖昧にするために自ら障害を作り出す行為
②結果が出る前に先に失敗を想定した発言をする行為
もう少しわかりやすく言い換えるなら、
もし失敗しても自分の実力ではない部分に原因があったことにするために、わざと条件を悪くする行為や言い訳そのもの
のことです。
今回はこのセルフハンディキャッピングについて解説します。
好きな人ができにくい人や、人を好きになる方法を忘れてしまった人には思い当たる節があるかもしれません。
ぜひ読んでみてくださいね。
恋愛におけるセルフハンディキャッピング

恋愛ができない言い訳としてよく聞くのは、以下のような理由です。
・仕事や勉強など忙しくて恋愛をする暇がない
・積極的に話しかけて軽い女だと思われたくない
・合コンやマッチングアプリを使うのは必死だと思われそうで嫌だ
・自分は嫌われやすいタイプだから踏み込めない
これらはすべて「本気を出していないから恋愛ができないんだ」というセルフハンディキャッピングです。
セルフハンディキャッピングをする原因
恋愛においてセルフハンディキャッピングをする大きな原因は、過去の経験です。
好きな人と両想いになれなかった経験や大好きな彼氏からフラれた経験によって、また同じことを繰り返して傷つきたくないという気持ちが強くなる結果、セルフハンディキャップの思考に陥ります。
恋愛経験がない場合でも、過去の経験が邪魔をするケースは少なくありません。
たとえば、人から恋愛話を聞いたりドラマや漫画を見たりして「こんなに苦しい気持ちになるなんて、恋愛は難しい…」と感情移入をすれば、自分が失恋する想像も簡単にできてしまうのです。
セルフハンディキャッピングのデメリット
セルフハンディキャッピングを克服するために、セルフハンディキャッピングのデメリットを理解することから始めましょう。
セルフハンディキャッピングのデメリットは以下の3点です。
①成功率を下げる
セルフハンディキャッピングは成功率を下げるという研究結果があります。
セルフハンディキャッピングをする人とそうでない人では、物事に取り組む姿勢が変わるからです。
両者の間にある本気度や真剣さに差が出て、その差が結果に繋がります。
②言い訳が増える
セルフハンディキャッピングを繰り返していると、言い訳が多い人になります。
努力の方向性を見失って、予防線としてわざと逃げ道を作る人も少なくありません。
人間的な成長を止めるので、人としての魅力も少なくなってしまいます。
③印象が悪くなる
言い訳ばかりしていると思考回路がネガティブに傾きます。
ネガティブ発言が増えたり、みんなで何かに取り組むときに本気で挑まず士気を下げたりして印象を悪くする可能性があります。
セルフハンディキャッピングを克服する方法

ここからは、セルフハンディキャッピングを克服する6つの方法をご紹介します。
恋愛はもちろん日常的にも使えるので参考にしてくださいね。
言い訳をやめる
ネガティブな人は言動もネガティブになってしまうため、ネガティブな発言がクセになる前に言い訳をやめる努力をしましょう。
真剣に恋愛に取り組む覚悟を決める
本当に恋愛がしたいなら、傷ついたとしても恋愛に向き合う覚悟を決めましょう。
決心が揺らがないように、日々「本気で恋愛を頑張る」と意識をすると、モチベーションを維持できます。
自分磨きをして新しい恋愛に備える
恋愛成就は自分だけの努力ではどうにもならない部分があり、次第にモチベーションを維持できなくなることがあります。
そこで、他人を巻き込むことのない「自分磨き」に関する目標を作るのがおすすめです。
小さな目標を繰り返して自己肯定感を高めていくうちに、自分に自信が持てるようになって新しい恋愛への準備が整います。
「痩せてモデルになる」といったハードルが高い目標は、失敗経験に繋がってセルフハンディキャッピングが進行する可能性もあります。

- 今月はファッション雑誌を2冊読む
- 今日は髪の毛のアレンジを頑張る
- 今日は会った人全員に笑顔で挨拶をする
といった実現可能な小さな目標を達成することで、成功体験を増やしていきましょう。
迷ったらやってみる
セルフハンディキャッピングをする原因のひとつに「失敗を恐れ過ぎているから」というものがあります。
そこで、あえてチャレンジしてみることで、セルフハンディキャッピングを克服できるかもしれません。
挑戦して「案外なんとかなる」と思えたら、成功体験に繋がるからです。
もし望まない結果になっても、それは失敗ではなく経験値として自分を深みのある人間にしてくれるものだと思って、チャレンジを楽しんでくださいね。
周囲に宣言してしまう
友達や周囲の人に「〇〇くんが好き」とか「彼氏が欲しい」と宣言してしまうのもおすすめです。
宣言をすることで、言い訳も後戻りもできなくなるからです。
もし現在彼氏募集中だと宣言すれば、友達がいい人を紹介してくれるかもしれません。
自己分析をする
セルフハンディキャッピングをのもうひとつの大きな原因として、自分への自信のなさがあります。
自分に自信を持つためには、自己分析をして自分に向き合うことが有効です。
・なぜ自分に自信が持てないのか
・自分の改善したいところ・コンプレックス
・過去の恋愛で辛かった経験と辛いと感じた理由
・好きな男性のタイプ
・理想の恋愛
など、自分の内面を言語化してみてください。
自分の本心を理解することが、前向きな気持ちになるきっかけになります。
セルフハンディキャッピングの心理学的背景

ここからは、セルフハンディキャッピングについて心理学の視点から解説していきます。
- 誰が提唱したの?
- なんでセルフハンディキャッピングが起こるの?
- 日常のなかでもよく起きる現象なの?
気になる人はぜひ読んでくださいね。
提唱したのはふたりの心理学者
セルフハンディキャッピングは、1978年に心理学者エドワード・E・ジョーンズとスティーヴン・バーグラスによって提唱されました。
彼らは、人が失敗したときに「自分の能力が足りない」と評価されるのを避けるために、わざとハンディキャップを作り出す行動に注目しました。
これは「自尊心を守るための戦略」として説明されています。
彼らが行った実験

ジョーンズとバーグラスの有名な実験では、学生に難しい課題を解かせたあと「成績が良かった」と伝えました。
次に「頭の働きを良くする薬」か「集中力を下げる薬」を選んでから新しい課題に挑んでもらったところ、多くの学生が後者を選びました。
その理由は「もし次に失敗しても薬のせいにできる」というものでした。
この結果から、人は「成功する保証」よりも「失敗したときの言い訳」を優先することがあると明らかになりました。
脳科学的な仕組み
セルフハンディキャッピングは、脳の報酬系や扁桃体の働きと関係していると考えられています。
人は報酬(=成功体験)を得たい反面、失敗によるダメージや不安を強く避ける傾向があります。
特に「評価される場面」では前頭前皮質が活発になり、合理的判断よりも「自尊心を守る」方向に行動が傾きやすいとされています。
身近な事例
たとえば、テストの前日に勉強しなくてはいけないことを頭ではわかっているのにスマホやゲームに没頭してしまう行為。
これは、もしテストの点数が悪くても自分の実力ではなく「本気を出していなかった」「準備不足なだけだ」と予防線を張る行為です。
また、テストの結果に手応えがあったにも関わらず「全然できなかったよ」と言う人も少なくありません。
これも、万が一テストの点数が悪かったときに恥をかかないために予防線を張る行為です。
セルフハンディキャッピングは心の防衛反応なので無自覚なことも多いものです。
しかし、無自覚だからこそ厄介なもので、逃げる自分を正当化し、成功するための手段を考える思考を停止してしまう行為でもあります。
セルフハンディキャッピングを克服して恋愛を楽しもう
恋愛を始めるのは誰でも怖いと感じるものです。
特に、過去に辛い経験をしている人は恋愛への恐怖心を強く持っていることでしょう。
しかし、恋愛は辛いことばかりではありません。
楽しい瞬間や幸せな瞬間を想像して恋愛をスタートさせるために、まずは自分自身と向き合いましょう。
ココロマグネットはいつでもあなたの恋を応援しています。