
彼氏のことはもうあんまり好きじゃない。
でも、なんとなく別れるのはもったいないかも…。
そんなふうに悩んだことはありませんか?
これは 「サンクコスト効果」 と呼ばれる心理現象です。
「サンクコスト効果(埋没費用効果)」 とは、既に投資した時間・お金・労力を惜しみ、合理的な判断ができなくなる心理現象のことです。
たとえば、つまらない映画でも途中で離席せずに「チケット代がもったいないし…」と最後まで観てしまうものです。
恋愛でも「せっかくここまで頑張ったのに…」という気持ちが相手への執着を生みます。
この記事では、サンクコスト効果を恋愛に活かして「追われる女性」を目指す方法を紹介します。
学術的な背景も解説しているので、専門的な知識もつけたい人はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
サンクコスト効果を使った恋愛テクニック
サンクコスト効果は執着心を増加させるものです。
うまく活用することで、彼があなたに執着して「追われる女性」を目指せます。
ここでは、サンクコスト効果を活用した4つのテクニックを紹介します。
小さなお願いを積み重ねる
彼があなたに労力を使うことでサンクコスト効果を期待できますが、彼がストレスに感じないように、負担の少ないお願い事をするのがおすすめです。
・コンビニのコーヒーなど、少額でも奢ってもらう
・デートの送り迎えをお願いする
・「ちょっとこれ持ってて」といった小さな頼みごとをする
彼に決断をさせる
人は「自分で決めたこと」に対して執着しやすい性質があります。
彼があなたのために決定する機会を増やしましょう。

- デートのお店選びを彼に任せる(「どこがいいかな?」と聞く)
- プラン決めを彼にお願いする(「〇〇と△△どっちがいい?」と選ばせる)
お願いのあとの感謝を忘れない
お願いを叶えてもらったら「○○してくれて嬉しかった!」と伝えましょう。
彼が「自分の行動があなたを幸せにした」「自分の行動には価値や意味がある」と感じてもっと投資したくなります。

- 「迎えに来てくれて助かった!ありがとう!」
- 「〇〇に連れて行ってくれて楽しかった!」
自発的に投資したと思わせる
ただお願いするだけではなく、彼が 「自分の意思でやった」と感じる状況を作ることもポイントです。
彼が自分の選択は正しいと感じ、もっとあなたに喜んでもらえるための提案をしたいと思うようになります。

- 「なんで〇〇君って私の好みがわかるの?」
- 「私たちって価値観が似てるよね」
体験談〜尽くしすぎて抜け出せない恋〜

今回はSNSを通じて時々恋愛相談をしてくれるNちゃんのお話です。
掲載許可ありがとうございます。
彼女には、なんと5年も付き合っている彼氏がいました。
高校の同級生で、3年生のときから付き合い始めたそうです。
学生の頃はクラスの中心でムードメーカーをしている明るい彼とただただ楽しい時間を過ごしました。
しかし、短大を出て社会人になり、将来を考えたときに金銭面も生活面もだらしない彼に不安を感じるようになったそうです。
彼女は心理学にも興味を持ってくれていたので、サンクコスト効果について説明したところ

これだ…!!!!!
と腑に落ちてくれました(笑)。
彼女は別れるべきだとわかっていながら、彼にかけた時間やお金、感情がもったいなくて決心できずにいたのです。
まさにサンクコスト効果が働いている状態で、しかも自分でそれを理解していたからこそ、誰かに背中を押してほしかったんだと思います。
その後、彼女は当時の彼とはしっかり話し合って円満にお別れし、今では他の人との恋愛も楽しんでいます。
これからもNちゃんの恋愛を応援しています!
サンクコスト効果の心理学的背景

ここからは、サンクコスト効果について心理学の視点から解説していきます。
- 誰が提唱したの?
- なぜサンクコスト効果が起こるの?
- 日常のなかでもよく起きる現象なの?
気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
提唱の背景と研究
この考え方の基盤になっているのは、1970年代に経済学や心理学の分野で活発に研究された「プロスペクト理論」や「意思決定研究」です。
中でもアメリカの経済学者ハロルド・アークス(Hal R. Arkes)と社会心理学者キャサリン・ブラム(Catherine Blumer)が1985年に行った研究が有名です。
旅行をテーマにした彼らの実験
彼らは参加者に、こんなシナリオを提示しました。

あなたは2種類の旅行チケットを購入しました。
・ひとつは100ドルの旅行(内容はそれほど魅力的ではない)
・もうひとつは50ドルの旅行(こちらの方が内容は魅力的で楽しそう)
ただし、旅行の日程は重なっていて、どちらか一方しか行けません。
合理的に考えると「安くても魅力的な旅行」に行くほうが満足度は高いはずです。
しかし多くの人は「高いお金を払った方を選ばなければ損だ」と感じ、100ドルの旅行を選びました。
この結果から、
人は金額や労力といった過去に払ったコストに縛られて、冷静な判断ができなくなる
ことが実証されました。
サンクコストの仕組み
サンクコスト効果には、以下のような要因が影響しています。
損失回避バイアス
「ここで終わらせたら、今までの時間や労力が無駄になる」という心理です。
サンクコスト効果の根幹になります。
一貫性の原理(コンコルド効果)
「自分が選んだ道を正しいと思いたい」という心理です。
サンクコスト効果を長期的に強める要因になります。
好意の返報性
「投資したものにはリターンがあるはず。報われるはずだ」と思い込んで期待する心理です。
サンクコスト効果を継続するモチベーションになります。
日常での具体例
サンクコスト効果は、恋愛以外でも身近な場面でたくさん起きています。

高い会費を払ったジム、あまり通えないのに「辞めたら損」と思って続けてしまう

思ったより合わなかったけど、せっかく買ったから高い化粧品を使い続ける

ゲームに課金しすぎてやめるのがもったいなくなる
サンクコスト効果で追われる女性を目指そう
サンクコスト効果は、人や物事に対する執着心を生む働きをします。
これを恋愛に応用することで、追われる女性女性を目指せます。
もし恋愛や好きな人に執着しすぎる傾向があると悩んでいるなら、サンクコスト効果に陥っていないか確認してみましょう。
「こんなに頑張ったのに…」と感じる言動をやめることで、程よい距離感を保てるかもしれません。
あなたにとって、恋愛が辛いものではなく楽しくて毎日を充実させるエッセンスになることを祈っています。
ココロマグネットはいつでもあなたの恋を応援しています。