「アンダードッグ効果」とは、弱い立場にいる人を応援したくなる心理現象のことです。
英語でunderdogは『負け犬』や『弱い立場の人』を意味します。
たとえば、プロのサッカーチームと小学生チームが試合をすることになったとします。
プロチームが勝つのが明らかですが、小学生チームに「1点でも取ってほしい!」と応援したくなりませんか?
これがアンダードッグ効果です。
特に男性は、「自分より弱い存在」を守りたいと思う傾向があります。
そこで、このアンダードッグ効果をうまく使えば、「守ってあげたい」と思われる特別な女性を目指せます。
この記事では、この効果を恋愛に活かす方法や実際の体験談を紹介します。
学術的な背景も解説しているので、専門的な知識もつけたい人はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
それでは、アンダードッグ効果を使った心理学的テクニックを見ていきましょう!
アンダードッグ効果を使った恋愛テクニック

さっそく、アンダードッグ効果を使って守りたい女性を演出する方法について解説します。
完璧で美しい女性ももちろん魅力的ですが、なんとなく近寄りがたくて「彼女にするなら可愛い系がいいな」と感じる男性も多いものです。
そこで、ちょっと弱さや不器用さを見せると好きな人の心を動かしやすくなります。
アンダードッグ効果のポイント
アンダードッグ効果を使うときには以下の4つのポイントを意識しましょう。
①自然な流れで話を切り出す
②基本の姿勢はポジティブに
③涙は流さない
④2人だけの秘密にする
それぞれ詳しく解説します。
自然な流れで話を切り出す
アンダードッグ効果を狙うあまり、自己開示しすぎないようにしましょう。
過度に弱さを見せると、かまってちゃんやメンヘラだと思われる可能性があります。
アンダードッグ効果は「逆境にいるけど健気に頑張っている人」を応援したくなる心理を利用するものです。
つまり、単なる不幸自慢をしても、相手の心は動きません。
自分から話しすぎず、自然な流れで弱さをさりげなく見せることが大切です。
もし強引になってしまったときは

〇〇君だと安心してつい弱いところを見せちゃった…。ごめんね
とフォローすることで、悪い印象を和らげることができます。
基本の姿勢はポジティブに
あまりにも不幸のどん底にいるように見えると、彼は逆に「自分にはどうしようもない。荷が重い」と感じることもあります。
「明るく振る舞ってるけど、本当は辛いはず…」と思わせるような言動が大切です。
さらに、自虐的な言動には注意しましょう。
アンダードッグ効果が狙えないだけでなく、場合によっては下品に見えることもあります。
涙は流さない
ふたりきりで話しているときに泣く女性に、男性は引いてしまうことがあります。
リスクを避けるために涙は流さないほうが効果的です。
「嫌なことや辛いことを笑い話に変えようとする健気な姿」が理想です。
重い女だと思わせてしまうリスクを避けるためにもできるだけ泣くのは我慢しましょう。
2人だけの秘密にする
アンダードッグ効果を最大限に活用するためには、「2人だけの秘密」という感覚を強調することが重要です。
誰にでも話しているわけではないことや不幸自慢ではないことをアピールできます。
また、男性は「特別」というものに弱い生き物です。
「特別に打ち明けられた秘密」があれば、あなたが打ち明けた悩みやあなた自身について、彼が1人で考える時間が自然と発生します。
この過程で「認知的不協和」や「単純接触効果」が働き、あなたへの好意が深まります。
認知的不協和とは、自分の思考や行動に矛盾を感じたとき、その矛盾を解消しようとする心理現象です。
「どうしてこんなにあなたのことを考えているのだろう?」という疑問が生まれたとき、矛盾を解消するために自分の感情に向き合います。
そして最終的に「もしかしたら自分はあなたに好意を持っているのかもしれない」と感じるようになるのです。
単純接触効果とは、接触する頻度の高い相手に対する好意が高まる心理現象です。
実際に会っていなくても、あなたのことをよく考えるようになることでこの効果が働きます。
頭の中であなたに何度も会っているような感覚になるので、彼の心があなたに引き寄せられるのです。
具体的なシチュエーション
ここからは、アンダードッグ効果を使いやすいシチュエーションについて、具体的に見ていきましょう。
デートで道に迷ったとき

本当に方向音痴なの…。〇〇君が一緒にいてくれて安心する
無理に誤魔化したり開き直ったりするより可愛く見えて、男性は自然と「守ってあげたい」という気持ちになります。
重いものを持っているとき

ごめん、重いんだけど手伝ってほしいな
頼られることで「俺が彼女を支えたい」という意識が芽生えます。
小さな失敗を素直に認める

またドジしちゃった、ごめんね…
不器用さを見せることで「自分がそばにいないと」と思わせやすくなります。
アンダードッグ効果が効きやすい人とは?
アンダードッグ効果が効きやすい人には共通の特徴があります。
それは、「優しい人」です。
・同情や共感ができる
・相手の痛みに敏感で感受性が高い
・何かをしてもらったときにお返しをしなくてはと感じやすい
このような人は、アンダードッグ効果が自然と働きやすいです。
好きな人が優しい人であれば、ぜひアンダードッグ効果を実践しましょう!
体験談〜きっかけは残業〜

これは私自身の体験談です。
当時、私はIT企業に勤めていて、自分の部署を持っていたこともあり、たくさんの仕事を抱えてよく残業をしていました。
ある日、偶然遅くまで残業していた同期のH君が

こころってよく残業してるけど、いつもこんなに遅くまで残ってるの?
と声をかけてくれました。
残業が多くて疲れていることを少しだけ打ち明けたところ、それ以来社内で使っているメッセージツールを介してよく声をかけてくれるようになりました。
部署が違ったので仕事については少し手伝ってもらう程度でしたが、H君からの心配メッセージが私の心の支えになっていました。
残業が多く疲れている私を「守ってあげなきゃ」とH君は感じたようです。
アンダードッグ効果の心理学的背景

ここからは、アンダードッグ効果について心理学の視点から解説していきます。
・誰が提唱したの?
・なぜアンダードッグ効果が起きるの?
・日常のなかでもよく起きる現象なの?
気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
どんな研究から生まれたのか

アンダードッグ効果という考え方は、アメリカの心理学者ジョセフ・ヴァンデロらの研究によって注目されました。
彼らは、オリンピックの試合や政治選挙などを題材に「勝ち目が低い側と有利な側、どちらを応援したいか」を調査しました。
すると多くの人が「不利な立場にいるほう」を応援しやすいことがわかったのです。ここから「アンダードッグ効果」という名前が広まりました。
人はなぜ弱い立場を応援したくなるのか
心理学的には「頑張っているのに不利な状況にいる」姿が、人の心を動かします。
不利なのに努力を続ける姿を見ると「誠実そう」「一生懸命で応援したい」と感じるのです。
これは社会心理学者ゴーサルス&アリソンの研究でも裏づけられています。
アンダードッグ効果が発生する理由
アンダードッグ効果が発生する理由には、人間に備わったいくつかの心が関係しています。
同情心
同情とは、相手の気持ちを汲み取って思いやる感情のことで、「可哀想だ」という気持ちだけではなく、寄り添う気持ちも含まれています。
たとえば、赤ちゃんを見て「守ってあげたい」と感じる気持ちも同情心です。
私たちには「弱いものを守るべき」という本能が備わっているため、不利な立場にいる人を見ると自然と応援したくなるのです。
共感
相手の価値観や感情に寄り添い、理解を示すことを共感といいます。
同情心と似ていますが、共感は「自分に何ができるか」を考え、行動に結びつくことが特徴です。
たとえば、スポーツで弱いチームを応援するのは同情心です。
しかし、SNSで時々見かける

バイト先のコンビニで間違えて大量発注してしまいました…。助けてください!
このような投稿に応えたくなる気持ちは、共感によるものです。
自己投影
自分の過去の経験と相手を重ね合わせることも、アンダードッグ効果が発生する理由の1つです。
何かを乗り越えた自分の記憶がよみがえることで、応援したい気持ちや「乗り越えてほしい」という願いが生まれるのです。
このように自己投影をしている弱者の応援をすることは、過去に辛い経験をした自分へのエールにもなります。
アンダードッグ効果とは自分自身を肯定したり安心させるためのものでもあるのです。
返報性の原理
返報性の原理とは、相手から何かをしてもらったときに「お返しをしなくては」と感じる心理のことです。
一般的には、簡単に自分の弱みや悪い部分を隠そうとするものです。
そんななかで、弱い部分を見せることで何らかの形で応えたいという気持ちが生まれます。
アンダードッグ効果を使って守りたくなる女性に
アンダードッグ効果は、彼にとって守ってあげたい女性になることを目指せるテクニックです。
うまく活用することで、普段は強いと思われがちな女性こそギャップが生まれて、彼の心をグッと引き寄せることができます。
ただし、やりすぎると「あまりにも頼りない」「天然を演じている…?」と思われてしまうこともあるので、バランスが大切です。
アンダードッグ効果を活用して、あなたも「守ってあげたい可愛い女子」を目指してみてくださいね。
ココロマグネットはいつでもあなたの恋を応援しています。